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シシィと歌おう!秋のウィーン&ミュンヘン ツアー
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こちらのページでは、ぷりん隊長といっちーが観劇した演目の感想をアップします。

各劇場のチケットの入手方法については、TICKETページをご覧下さい。各演目のあらすじをご覧になる場合は、下のGoogle検索バーをお使いください。


2004/10/30 (土) 2004/10/31 (日) 2004/11/1 (祝) 2004/11/2 (火) 2004/11/3 (水)
バーバレラ ウィーン
少年合唱団
エリザベート フィデリオ 白鳥の湖
2004/11/4 (木) 2004/11/5 (金) 2004/11/6 (土)
Google
椿姫 眠れる森の美女 魔笛

 ■■ バーバレラ
Barbarella
日時:2004/10/30 (土) 19:30-
座席:平土間後部 7列 13番
価格:25€

キャスト バーバレラ…Nina Proll、黒の女王…Eva Maria Marold、盲目の天使…Mark Seibert、デュラン…Siegmar Tonk

メモ 元々はアメリカかどっかの漫画で、それをロジェ・バディム監督が1967年に映画化した。主演女優はジェーン・フォンダで、セクシーSF映画史上における最高傑作と言われているとかいないとか。その映画をミヒャエル・クンツェ氏がミュージカル化したのは2003/3/11のことであった。しかし、フタを開けてみると泣かず飛ばず。2005/1/1が涙の最終公演なり。

なお、余談ではあるが、有名なバンドのデュラン・デュランは、映画の登場人物(悪役)の役名を元ネタにしてるらしい。


編集:いっちー いっちーの感想

上に書いたように、このミュージカルの直接の元ネタは大昔のSF映画だと思います。この映画は、基本的にはSF映画なんですが、割とエロティックな描写が多かったせいか、当時はけっこう評判を博したようです。映画はストーリー的にはあんまり面白くなくて、こんなモンどうやってミュージカル化するのかなーと思ってたんですが、ストーリーはかなり変わってるようです。ただ、全編ドイツ語で、字幕も無いので、内容はさっぱり分かりませんでした。。

ストーリーが分からないので、演出面の感想のみ書きますが、光を非常に効果的に使っていて、技術的にはかなり高いんじゃないかと思いました。「フラッシュ」と「ホログラム」の2つが多用されていて、「フラッシュ」は例えばバーバレラの戦闘シーンで使われていて、バーバレラが光線銃みたいのを撃つときにピカピカ光らせていて、バーバレラの決めポーズのときにフラッシュがバーンと光る、みたいな感じです。ホログラムはバーバレラが時空を旅するシーンや天使と一緒に飛ぶシーンで使われていました。ホログラムの壁から人が出てきたり、また消えていったりして、かなり幻想的な感じでよかったです。ぷりん隊長に聞いても、そういう演出は見たこと無いとのことだったので、クンツェが新開発した演出なのかなーと思いました。そういう演出効果を開発したので、SFでは名作と(マニアに)言われてるバーバレラを演目に選んだのかもしれない。

なお、席はガラガラで、私が座ってた安い方の席は人がいっぱい居ましたが、舞台が良く見える方の席は誰も座ってませんでした。なので、舞台が始まった瞬間、若い子なんかは高いほうの席にダッシュで移動してました。どうもあんま評判は良くないみたいで、2005年1月が最終公演みたいです。見るのなら、安い席を買って、開始直後に高い席にダッシュで移動、これ最強かなーと。

POINT6.0

 ■■ ウィーン少年合唱団
Wiener Sängerknaben
日時:2004/10/31 (日) 9:30-
座席:6番(最前列)
価格:29€

演奏 Joseph Haydn, Nicolaimesse

メモ ウィーン少年合唱団は、1498年にオーストリアのマキシミリアン一世皇帝により創設された。その後は宮廷少年合唱団として活動していたが、1918年のハプスブルグ帝国の崩壊に伴い解体される。1924年、最後の宮廷楽長であったヨーゼフ・シュミットが、合唱団を私立の社団として復活させた。再編当時は慢性的な財政難に苦しんでいたそうだが、その対策として各地で行ったコンサートが大当たりし、現在では世界各国で毎年約300回のコンサートを開くほどの人気を誇っている。


編集:いっちー いっちーの感想

このチケットは2ヶ月ほど前に予約したんですが、なんと最前列をゲットできて万々歳でした。ミサを間近で見ることが出来たので、詳しく報告したいと思います。

王宮礼拝堂

まず、写真撮影ですが、ミサの最中は禁止されています。ですが、ミサの前は写真撮影OKなので、記念写真を撮りたい方は、ミサに前に撮っておきましょう。

左の写真は礼拝堂中央部の礼拝台ですが、礼拝が始まると、この手前に続く通路を通って、神父さんと聖歌隊(ウィーン少年合唱団ではない)の方が入場します。そして、この礼拝台の左奥に聖歌隊、左横に神父さん3人が陣取ります。ウィーン少年合唱団とオーケストラの皆さんは、礼拝堂4階(たぶん)に陣取り、ミサの最中はそこで演奏します。

ミサの段取りですが、最初に神父さんの説教(ドイツ語)と聖歌斉唱(ラテン語)が何度か繰り返され、その度に参列者は立って十字を切ったりします。で、順番は忘れましたが、重要なのが、ミサの後半に集中して行われる「喜捨」「聖餐」「握手」「聖歌斉唱」です。ミサの前半は黙って見ながら、みんなと一緒のタイミングで立ったり座ったりしてればいいんですが、後半のこれらのイベントでは、自分で色々と判断しなくてはいけないからです。なお、基本的には日本でやるミサと同じなので(たぶん)、クリスチャンの方は以下のパラグラフは読まなくても良いでしょう。なお、いっちーはアフリカでしかミサに出たこと無いので、だいぶ勝手が違って戸惑いました。。

んで、「喜捨」ですが、これは教会への寄付のことで、ミサの中盤で神父さんが長い棒の先に円筒形の貯金箱みたいのがついたのを持ってまわるので、それにお金を入れます。みんな1€くらい入れてたみたいです。急に来られるとお金が出せなくて慌てるので、事前に用意しておくといいです。次は「聖餐」で、これはキリストの肉体の象徴であるパンみたいのを食べる儀式で、基本的にはクリスチャンのみ参加します。神父さんが「お前はキリストを信じますか?」みたいなことを言うので、うなづいて手を出すと、そのパンみたいのをくれます。口をあーんってやると、口に直接入れてくれます。続いて「握手」。隣人を愛するということで、握手で仲良く〜みたいな感じです。ドイツ語で言われるので分からないのですが、周りはみんな分かってて、握手を求めてくるので、にこやかに握手をしましょう。最後は「聖歌斉唱」。ほとんどは聖歌隊とウィーン少年合唱団だけで歌うのですが、最後の方の聖歌は見学者も一緒に歌えます。楽譜が席においてあるので、それを見て朗らかに歌い上げましょう。

こんな感じでミサが一通り終わると、最後にウィーン少年合唱団の子が1階まで降りてきて、みんなの前で歌ってくれます。この時は撮影OKなので、撮りたい人は撮っておきましょう(なので、礼拝中もカメラは持ってるほうがいい)。彼らが歌い終わるとミサはおしまい。神父さんたちが退場していくので、一緒に退場します。ミサ終了後、中庭でウィーン少年団の子と一緒に写真が撮れますので、記念に撮っておくといいかもかも。

んで、最後に感想ですが、やっぱ感動的っす。神父さんの説教はさっぱり分からなくて辛いんですが、聖歌隊の皆さんの歌は素晴らしく、ウィーン少年合唱団の子の声もめっさ美しいっす。クリスチャンの方は是非出るといいっす。

POINT大感動

※いっちーはなんちゃってクリスチャンなんで、用語とかはけっこういい加減です。すいません。間違い等ありましたら、ご指摘いただければと思います。


 ■■ エリザベート
Elisabeth
日時:2004/11/1 (祝) 19:30-
座席:平土間前部 1列5-6番
価格:72€

指揮 Caspar Richter

キャスト エリザベート…Maya Hakvoort、ルキーニ…Serkan Kaya、トート…Mate Kamaras

メモ エリザベートが実際に辿った人生についてはWikipediaによくまとめられているので、興味のある方は読んでみるべし。ミュージカルは史実を非常によくなぞっており、それゆえに内容に深みを増しているように思われる。


編集:ぷりん隊長 編集:いっちー
言いたい放題レポ

観劇した翌朝の11/2、興奮冷めやらぬぷりん隊長といっちーは再びアン・デア・ウィーン劇場に向かいました。劇場を前にして、観想を言いたい放題語っています。ムービーで記録してみましたので、良かったらご覧くださいませ。なお、デジカメの動画機能で録画したので、音声はかなり悪いです。また、発言の一部にネタバレや不快な内容を含む可能性があるので、ご視聴される際はご注意くださいませ。

>>Play Movie!!


編集:ぷりん隊長 ぷりん隊長の感想

エリザベート観劇@ウィーン

美術がすごいらしいのと本場は違うということで事前ネット調査では絶賛されていたウィーンのエリザベート、ついに今日観て来ました。

エリザベートのキャスト表 三ヶ月前に予約したのでなんと中央ブロック最前列。

出だし、最高です! これはすごいぞという迫力と歌と演技にじーんと鳥肌がたつような感じでした。ルキーニもキャラが見事にマッチ。
この時点では10点満点!

そして真っ白い衣装のトート登場。
おおお、かっこいい。でもちょっと背小さいか。
で、トートの歌声。。。うーん、。。。
なんかちょっと軽薄な感じ。。しかもトート見た目若すぎるような気が。。
日本では内野さんと山口さんだったけど、彼らより一回りくらい若い感じで、ちょっとヤンキーあがりみたいな感じのトート。
この時点で9.5点にダウン。

シシィ。。。うーん、ちょっとお年を召されている感じだけど、アリアの歌声はとってもいい。伸びがあって透き通っている感じで。ただ、ニ幕は一幕ほど伸びがなかったような気がしました。

そして話題の美術。ってか、私的には全然だめ。。。
まずシシィがブランコから落ちるシーン、
なんかおもちゃがたくさんぶらさがったカラフルな木にシシィが登っていって上から落ちるという感じなんだけど、何あの派手な木っていう感じでした。
また、カートの車みたいなものにのって登場するシーンや鉄筋の橋げたの写真が舞台全面に背景として登場するなど、時代設定とミスマッチに感じるものが多くてなんだか??って感じ。
あと、やたら平面的な絵の背景も多かったし。二幕は動くクレーンみたいなのを効果的に使ってたけど、あれは何を意味していたのだろう。。。

子供ルドルフは、近所の子供レベルの歌唱力演技力でかなりショックだったし、大人ルドルフは、結構歳いってる感じで、声に伸びがなくトートとのはもりもいまいちでした。

あと、ストーリー的に日本版にあってウィーン版にないシーンが多すぎ。ハンガリー国王のシーンは一切なく、またルドルフがクーデターをたくらむシーンや逮捕されるシーンもなく、観客の拍手もほとんどないナチスのシーンが唐突に登場したり(日本版でも感じたけどこのナチスのシーン必要かな。。ウィーン版はこのナチスのシーンはとても長かった)。。

あと感じた点を箇条書きにすると
・ミルクのアンサンブルのダンスシーンは、日本の
 ダンスとは違ってたけど(日本の方が好き)、かなり
 迫力があった。
・女性版トートダンサーも登場してその中にトートが
 紛れ込んでいたりして新鮮だった
・精神病院のシーンは短めでよかった(東宝版長すぎ)
・2幕で、オケピのトランペットの人が舞台上にでてきて、
 パラパラと難しそうなフレーズをうまく演奏してめっちゃ
 盛り上げていた
・1幕で後ろの女の子がずっと椅子をぼんぼんけってきて
 とても気になった。休憩時間に注意したら親が謝ってきて
 二幕は全然気にならなかった。やっぱいった方がいいですね。
・カーテンコールはフラッシュたきまくり写真とりまくり。
 事前にスタッフにカーテンコール写真OK?と聞いたらNO
 といってたんだけど、事実上黙認って感じなんですかね。
・ソフィーの召使の中で一番えらい人がめっちゃ
 美形で綺麗だった

なんか全体的なストーリーの構成よりも、そのシーンそのシーンで盛り上がればいいやん的な感じに受け取れた気もします。会場の1割くらいは日本人でそれもびっくりでした。

編集:いっちー いっちーの感想

このサイトは「シシィと歌おう〜」という名前なのですが、いっちーはエリザベートが好きで、ミュージカルとしてのエリザベートが好きと言うよりも、ミュージカルを通して描かれるシシィが非常に好きです。いっちーが今までに見た唯一のエリザベートは1996公演の宝塚雪組版なのですが、これはエリザベートの魅力ある性格とその悲しい境遇が非常に良く描かれているなあと思ってます。花總まりの演技もなかなか光ってるし、一路さんのミステリアスなトートも非常に良く、こんなトート(死)にならシシィも憧ちゃうかもなーと思いました。

んで、日本語版がこんだけ凄いんだから、きっとウィーン版はもっと凄いんだろうなーと超期待して見に行ったエリザベートですが、、うーむむむ。。

まず、オープニングは完璧。エリザベートは、黄泉の国で蘇った死者によってストーリィが語られるという設定なんですが、その死者が蘇るさまが非常によく表現出来ていて、これから始まる壮大な物語への期待感を否応無しに盛り上げていく!素晴らしい!久しぶりに興奮で体が粟立つ感覚を覚えました!

そして、トート閣下参上!しかし。。うーむ。。一路さんみたいなミステリアスな雰囲気のトートを期待してたんだけど、なんか軽佻浮薄な感じの兄ちゃんが出てきた。。東洋思想的に言えば「死」ってもっと荘厳なもので、西洋思想でもそうなんじゃないかと思うんだけど、何であんな演出なんだろ?あんな兄ちゃんにシシィが魅かれる訳は絶対無いと思うんだけど、どうでしょう?

あと、シシィ役の女優さんも、ちょっとなーという感じで。。けっこうお年を召された感じなんですよね。。あと、登場直後に歌った「WIE DU」の歌い方にあんまり気持ちが入っていない感じがして、その辺も不満かなー。あの歌は、「親父さんみたいに自由に生きたい」というシシィの願いを表現してるんですよね?歌の前半では現在の生活への不満を親父さんにぶちまけ、後半では世界中を自由に旅してみたいというシシィの想いを訴えかける。今回の女優さんの歌からは、ちょっとその辺が伝わってこなかった感じです。東宝版エリザベートの一路さんもそういう歌い方なんだよね。1992年のオリジナル・ウィーン・キャスト版CDの歌い方が、一番いっちーの好みにハマってます。

まあ、そんな感じで、思っていたのとのギャップが大きすぎて、ちょっとなーという感じでした。それ以降も、必然性の良く分からない演出や、大きな紙芝居みたいな背景がどんどんいっちーの興を削いでいった感じです。

個人的想いなんですけど、シシィっつーのは、ウィーンの宝だと思うんですよ。ウィーンが誇るべき、超一級の歴史的人物じゃないですか。その人物を描くのに、最良の演出がアレだったのかなーという思いが強く残りました。

まあ、いっちーは、「シシィのお話」を見たかったんだけど、そういう意味では期待に副わなかっただけで、一般的なミュージカルとしては面白い部類に入るのかなと思います。最高だったのがオープニングの死者が蘇るシーン、次点がミルクよこせ(Milchのとこ)のシーンかな。ミルクよこせは最前列で見ると超大迫力です。サイコー。あの2つだけでも、見る価値あるかなあと思います。

POINT7.0

 ■■ フィデリオ
Fidelio
日時:2004/11/2 (火) 19:30-
座席:平土間前部 右側3列1-2番
価格:178€

指揮 小澤征爾

キャスト フロレスタン…Johan Botha、レオノーレ(フィデリオ)…Waltraud Meier、ドン・ピツァロ…Falk Struckmann、マルツェリーネ…Genia Kühmeier、ロッコ…Kurt Rydl

メモ ベートーヴェンが作曲した唯一のオペラ。1805年に「レオノーレ」というタイトルで初演されるが、ドイツ語のわからないフランス軍人が聴衆だったこともあり、公演は失敗に終わった。その後2回にわたって改訂され、序曲は4回も書き直されている。1814年、タイトルを「フィデリオ」と改めた第3稿の公演は大成功を収めた。なお、このオペラにちなんだ同名のバラが存在している。


編集:ぷりん隊長 ぷりん隊長の感想

小澤征爾のフィデリオです。

服装は、黒めのスーツの男性が多く、タキシードは見かけなかったです。女性は、日本人女性はやたら派手目の方を多くお見受けしましたが、普通に綺麗な格好だったらいいかと思います。男性でも4階席の方にはかなりラフなジーンズ姿の人もいましたが、入り口ではかなり浮きますので、それなりにジャケットなりを羽織っていった方がいいかと。ってか、そういう格好をしていった方が雰囲気や休憩時間楽しめますしね。

さて、肝心の舞台の方は、まず最初に舞台上に男性が出てきて何やらアナウンス。英語でもアナウンスしてくれるのかと思いきや、ドイツ語のみのアナウンス! なんじゃそりゃ!キャスト変更なのか何らかの注意なのか、何のことか全くわからずいきなり消化不良。

そして舞台は始まり、まずウィーンフィル&小澤征爾によるレオノーレ序曲。
最初で出だしがそろってなかったような気もしましたが、うーん、うまいなーという感じでした。
途中の2幕途中の幕切り替えの間に演奏していた曲は、最後の盛り上がりはこうこみ上げてくるものを感じました。やっぱり音楽って素晴らしいーって感じ。
席が1階前から3列目最右側で、ティンパニや管の音がかなり
大きかったけど、小澤征爾も見えて舞台もくっきり見えてとても満足。
ちなみにオケピの人結構リラックスして弾いてるんですよね。。演奏中にひそひそ話したり舞台観たり笑ったりしてる人もいました。

オペラ歌手の方は最初出てくる洗濯おばちゃん(看守長ロッコの娘マルツェリーネ)の声と二幕で登場する太ったおっちゃん(フィデリオの夫フロレスタン)の声が太くてすっごく伝わってくる感じ。
一方主役のフィデリオ(フロレスタンの妻で、政治犯として収容されている夫を助けるために男装してる女性)は見た目細めで綺麗なんだけど、やっぱり洗濯おばちゃんや太ったおっちゃんと一緒に歌うシーンでは、なんか弱い。ピンで聞けばすごいと思うんだけど、どうしてもこう比較してしまうんですよね。
ストーリー的には比較的わかりやすいんだけど、英語の字幕がぜんっぜん表示されないのはちょっとどうかなと。はしょりすぎやろうという感じです。これ、人がどこかでタイミング操作してるんでしょうか。。そうそう、この字幕ボード、各席の前についてるんだけど、これを観て舞台を観てという動作を繰り返すとめっちゃ眠くなるんですね。つかれちゃって。

幕間は日本から一人来ていたOLっぽい人とミュンヘン情報などを情報交換しながら、ミュンヘンも全然寒くないことを知ってショック。。。

二幕の最後は、めっちゃめちゃ人が出てきます。あんなに必要ないでしょうという位。この舞台、観るのは一回でいいな。でもその一回をここウィーン国立オペラ座で小澤征爾指揮で見れたのはとても幸せ♪

プチ情報としては、こっちはクロークが有料なんですね。あとパンフレットは3.5ユーロと安い。が全部ドイツ語。英語版くらい用意しなさいといいたい。あと、開演前とカーテンコールはみんな写真パシャパシャ撮ってます。舞台中にも撮ってる奴がいたみたいだけどあれは最低ですね。。でもこのオペラ座、ほんとに豪華だしグッズ売場なんてないし、スタッフもみんな正装って感じだし、今後ウィーンにいったら一回はここに足を運びたいなと思った夜でした。

終演後、劇場内が暑かったので、ステファンスプラッツ駅近辺までちょっと散歩してまた国立オペラ座の横を通り過ぎようとしたら、出口付近に日本人が十数人。ん?と思って近づいてみると、あっ小澤征爾が出てきた。。おおおっと思ってみてると、なんかみんなサインをもらったり写真を一緒にとったりしていて。。。。
少し遠めにぼぉーっとみてたら、うぉっ、小澤征爾さんがこっちに来てくれた!目があって思わず手を差し出して握手させていただきましたです。そのままスタッフの方数人に見送られるようにタクシーで颯爽と帰られていきました。

なんか余韻の残る幸せなウィーンの夜でございました。

編集:いっちー いっちーの感想

今回のツアーの目玉の1つ、小澤のフィデリオです。

でもさー、フィデリオって、日本ではあんまり人気のある演目じゃないんですよね。だから、何でフィデリオを上演するのかなーって思ってたんですよ。でも、調べてみたところ、作曲家のベートーヴェンはウィーンと縁の深い人物で、本オペラの初演はアン・デア・ウィーン劇場でやったくらいなんで、よく考えてみるとウィーン国立歌劇場では普通の選択だよなあと思いました。

んで、感想ですが、うーん。普通(笑)。フィデリオって、あんまり盛り上がりのあるオペラじゃないんだよね。聴き所と言える箇所も、無いんじゃないかなあ。。良かったのは、脇役なんだけど、マルツェリーネっすかね。声よく出てて、完璧な歌いこなし。それはいいんだけど、そのせいでフィデリオがかすんでしまった様な気が。。他のキャストもまぁまぁかなーって感じっす。

小澤指揮のオケは良かったです。序曲と間奏曲は最高。なんか、小澤が指揮してるのを間近で見るだけで、それだけで酔えてしまうという。。

しかし、小澤って、どうなんだろね?交響曲の指揮してるのはよく聴くけど、オペラの指揮してるのはあんま知らないんだよね。。そういえば、最近は日本にウィーン国立歌劇場オペラを引き連れてやって来てるみたいだけど、えらいチケット高いらしいですね。5万円とか。こっちで見ると、2万円くらいでけっこういい席取れるんで、旅程のあう方はチャレンジしてみると良いかと思います。

POINT7.0

 ■■ 白鳥の湖
Schwanensee
日時:2004/11/3 (水) 19:30-
座席:8番ボックス席 2-3番
価格:127€

指揮 Jendrik Springer

キャスト ジークフリート王子…Jürgen Wagner、オデット姫…Eva Petters、悪魔ロットバルト…Christian Musil

メモ チャイコフスキー三大バレエの1つで、1877年にモスクワ・ボリショイ劇場で初演された。

     ・・・私からは以上です。


編集:ぷりん隊長 ぷりん隊長の感想

初日ミュージカル、2日目オペラ、3日目バレエ
という素晴らしい内容です。しかもこの日は
BOX席。BOX席初体験です。

ボックス席はその名の通り本当にBOX状態で
区切られていて、パーソナルスペースという
感じ。コートをかけるところもあるし、荷物
もおける。ただ、1人とか2人とかでBOX席
を予約すると、他のグループの人達と共有する
ことになります。私達も、ご夫人一人、フランス
からの観光客2人、日本人観光客一人と一緒
のBOXでした。でこのBOX、1列目と2列目
では値段の差もあるのですが、もう見え方は
雲泥の差。もちろんとるなら断然1列目!
ただ、舞台に近くなればなるほど首を舞台側
に傾けることになるので、めっちゃくちゃ首
とか肩がこります。バンテリン持って来ればよかった。

この日はボックス席から会場のあちこちを観察
してたんだけど(すごい見晴らしがいい)、
超ネクタイはあまりいない。もちろん貴族
みたいな人やゴージャスに着飾った人も結構
います。ボックス席では明らかに観光客と思える
服で入ると、逆に他のお客さんに迷惑だと思う
のでご注意を。また、最高席のミッテルロージュ
は、ボックス席からもよく見えて、ついつい
その位置を見てしまうので、やっぱりお洒落
していかれた方がよいかと。

舞台の内容はといえば、素晴らしいー。
特に白鳥!白鳥ですあれは。見とれてました。
プリンシパルの方が、ちょっとジャンプ力や
ダンスにきれがみれなかったのが残念。
また、これ、2回休憩があったんですね。
あと、パンフレットの最後のページに日本語
であらすじが書いてあってそれが実によく
まとめられていました。白鳥の湖って演出
によってストーリーが違ってくるんですね。

今回の白鳥の湖は、湖の白鳥は、魔法使いによって
白鳥にされてしまい、自分を本当に愛する人に出会えば
人間に戻ることができる。で、狩で湖を訪れた王子が
白鳥を好きになるのですが、魔法使いが自分の娘を
舞踏会に送り込みます(最初この娘と白鳥が一緒の人
なのかと思った。ストーリー上は別人だと知った
のは終演後。演じてるのは同じ人ですよね??)。
王子はこの娘に惚れてしまい、母親に紹介してしまいます。
が、その時魔法がとけてこの娘は消えてしまい。。
湖を訪れた王子はそのことを悔やみますが、
そんな王子を白鳥は許してあげ。。でも王子
はもだえながら身を投げ。。という感じだったかと
思います(記憶がちょっと定かではないのですが)

でもボックス席を大満喫、バレエにも陶酔できた
ウィーン最後の夜でした。

その後はホテルに帰って倒れるように寝てしまいました。

編集:いっちー いっちーの感想

いっちーは観劇の前は必ず予習するんですが、何故かこのバレエは予習を全くしておらず、予備知識ほぼゼロで観劇に挑みました。何となく「オデット姫」という言葉が頭にあったので、それをぷりん隊長に言ってみたところ、「そんなのいたっけな?」というお返事。あれー?

なお、いっちーはこれが初のバレエ観劇でして、どうやって楽しんだらいいのかも分からず、、という状態でした。

ウィーン国立歌劇場の「白鳥の湖」のポスター

んで、舞台が始まってまず感じたのは、すげぇありきたりな感想だとは思うんですが、「めっちゃ美しい!」ということなんですよね。まず、バレエ踊ってる兄さん姉さんの顔がめっさ美しくて、スタイルも抜群。ただ突っ立っていても絵になるような気がするんですが、それがまた踊り出すと、ステップと、それに合わせた手の動き、姿勢が流れるように変化し、それがまた音楽と絶妙に合っていて、すごく良かったです。オペラって音楽と声の調和を楽しむものだと思うんだけど、バレエって音楽と動作の調和を楽しむのかなーって思いました。どうなんでしょ?

バレエでいいのが、字幕を見ないですむ点ですね。最初から字幕無いんで(笑)。ただ問題は、ストーリーを全く知らなかったので、見ながら推定した訳ですが、いっちーが考えたストーリーは、
 王子様がお城でみんなと遊んでる
  ↓
 弓矢セットを誰から貰う
  ↓
 湖に遊びに行く
  ↓
 白鳥を弓矢で撃ちまくる
  ↓
 何故か白鳥に恋する
  ↓
 白鳥がどっかに行く
  ↓
 王子は後を追うが、悪者に止められる
  ↓
 城に帰ると、無理やりお見合いをさせられる
  ↓
 王子は誰も相手にしない
  ↓
 そこに、湖で会った白鳥が黒くなってやって来る
  ↓
 また悪者が来て、黒い白鳥を連れて行く
  ↓
 王子は追いかけて湖へ
  ↓
 湖では白鳥が楽しく遊んでる
  ↓
 悪者が来て、白鳥を痛めつける
  ↓
 王子が来て、白鳥を助ける
  ↓
 でも、王子は悪者にやられる(終わり)
なんですけど、後でパンフの説明を見たらぜんぜん違うということが分かり、かなりショックでした(笑)。やっぱ予習は必要ですね。

途中「あれ?」って思ったのが、お城の侍女?か何か慌てて飛び出してくるシーンで、バレリーナが思いっきりコケていたとこです。あれは演出でコケているのかと思ったら、どうも単純にコケていただけみたいでした。ああ、勘違い。。恥ずかしい。。

なお、この日はボックス席から観劇しました。中央からやや外れたところにあるボックスだったんで、首が不自然な形で舞台を向く感じになり、かなり首と肩が凝りましたが、そんな辛さを忘れる楽しいひと時でした。

POINT9.0

 ■■ 椿姫
La Traviata
日時:2004/11/2 (木) 19:00-
座席:平土間前部 4列 125, 127番
価格:130.5€

指揮 Zubin Mehta

キャスト ヴィオレッタ…Stefania Bonfadelli、アルフレード…Tito Beltrán、ジェルモン…Paolo Gavanelli

メモ よく知られている話だが、日本で呼ぶところの「椿姫」の名はこのオペラの原作(アレクサンドル・デュマ作の小説「椿を持つ女」)のタイトルに由来している。オペラのタイトルは“La Traviata”で、これは「道を誤った女」といった意味。ちなみに、ヒロインのヴィオレッタは「スミレ」の意になり、これまた椿とは関係ない。初演は1853年、ヴェネツィアのフェニーチェ劇場で行われたが、記録的な大失敗に終わっている。結核で死ぬべきヒロインを演じた歌手の体格が重戦車級であった点が、その大失敗の理由の一つとして挙げられている。


編集:ぷりん隊長 ぷりん隊長の感想

ミュンヘン観劇第1弾はバイエルン州立歌劇場。
ラ・トラビアータ。直訳は「道を踏み外した女」。
日本でいう「椿姫」。指揮はズービンメータ。

ウィーン国立歌劇場と違うなって思ったのは以下の点

・場内、ロビーで記念写真をとってる人は皆無
・上演中はもちろん、カーテンコールでも
 写真撮影をしてる人は皆無。マナーが非常によい。
・服装に関しては、ウィーン国立歌劇場よりも
 ドレスアップしてる人が多い。特に女性は、
 目をひくような人がかなりたくさん。休憩時間
 にそういう人たちをみてるだけでもいく価値あるかも。
 ジーンズの客はほとんどいません。今回思ったのは、
 もし旅行中にいきたくなったら、男女限らず、上下服&靴
 を黒を貴重にした服でいくと多少溶け込めるかなと。
 目立つのは、色つきのよれっとしたシャツやジーンズ、
 スニーカーだとちょっと場違い感が強いです。
・ミッテルロージュがすさまじい。これ、普通の人
 は入れないんじゃないかなって感じ。入り口は
 ロープはってあるし。
・1階4列目中央だったんだけど、客席がフラット過ぎ。
 前に人の頭が大きい場合、見えないシーンがかなりでてきます。
・ウィーン国立歌劇場と違って結構グッズ売り場が
 ありますが、全然売れてませんでした。
・ここのクロークはお金がいらないみたい。変わりに
 チケットが必要
・会場スタッフはかなりお歳をめした方が多く
 例えば英語で休憩時間の長さを聞いてもドイツ語
 でしかかえってきませんでした。。

で、肝心の舞台は、素晴らしい!特にヴィオレッタ!
Stefania Bonfadelliさん。
この主役、病を患った高級娼婦という役柄で、太ったでかい
おばちゃんだったらどうしようと(ミュージカルだとまず
ありえないけど、オペラだと十分ありえる。実際初演は
100kgを超えるかなりのおばちゃんだったらしい)
思っていたのですが、なんとなんと、このヴィオレッタ、
まず見た目がとーっても美しい。そして声がこれまた素敵。
演技も最高。感動とは言語の壁を越えて伝わるもんだなと思いました。
アルフレッドのお父さんジェルモ役の人も表情豊かで声が
太くてこれまためっちゃよい。アルフレードも田舎出のボクトツ
とした感じがよかったです。3幕では結構本格的な手品あり、
また美術は結構モダンでシンプルなセットで、その分役者の
個性が全面にでた感じでよかったかなあと思ったり。

ちなみに字幕は舞台上の方に(あれもみるのは疲れる・・)
出てましたが、ドイツ語・・・まぁ役者が歌ってるのが
イタリア語だけにまぁ字幕はそりゃードイツ語かなと。。

会場の綺麗さや字幕等の設備面という点ではウィーン国立歌劇場に
軍配かなと思うんですが、観客の服装やマナーという点では
バイエルン州立歌劇場が1ランク上という感じがしました。
どちらかといえば、ウィーン国立歌劇場は観光客が多く(日本人も多い)、
バイエルン州立歌劇場は、上流階級の人やお歳をめされた方、
または若者でもちょっと気取ったデートみたいな感じの地元の
方が多いように思いました。

今回はちょっと頭痛がひどかったんですが、
体調がいい時にぜひもう一回観たいって感じでした。

編集:いっちー いっちーの感想

今回のツアーの目玉、メータの椿姫です。

椿姫って、なんかオペラの演目としては、カルメンに次いで人気があるみたいですね。でも、乾杯の歌以外ではそんなに有名な曲があるわけでもないのに、何でそんなに人気があるのかなーと前々からちょっと不思議に思ってました。

その疑問に対する答えは未だによく分かりませんが、メータの椿姫を見て、このオペラって登場人物がすごく「映える」ような曲が与えられているところが魅力の1つなのかなー思いました。まあ、普通オペラってそういうもんだと思うんですが、この演目では特にそれが顕著というか。言葉が分からなくても、それを超えて何かが伝わるように、ヴェルディが登場人物に曲を与えているような気がしました。

さて、そんな椿姫ですが、今回は非常にモダンな演出で、普通であればセットは19世紀のお金持ちのお屋敷だったりするわけですが、今回の演出では1幕のセットが黒壁にドア+その向こうに赤壁、みたいな感じで、非常にシンプルというか、抽象的なセットが与えられていました。このセットの意味はよく分かりませんが、たぶん第1幕終盤のシーンを意識して、このセットが与えられたのかなと。黒壁の前で歌う、道を踏み外しつつある女の悲しみを、赤壁の前で騒ぐ彼女の友人たちと対比させて描きたかったのかなーと思いました。

演出はけっこう頓知が利いていて、乾杯の歌のところでは、お酒が入った杯を、アルフレードがこぼさない様に一回転させようとして、結局失敗、みたいなことやってましたが、これはアルフレードが歌を歌いつつ、場を盛り上げようとしていることを表す演出ですよね。第2幕では、アルフレードがブランコに乗りながらアリアを歌ってましたが、これはアルフレードが遊びまくっていてヴィオレッタのヒモ状態になってることを示す演出だと思ってます。全然外してるかもしんないけど、いっちーはそういうことを考えながらオペラを見るのが好きっす。

キャストだけど、ヴィオレッタは完璧。素晴らしい。美しくて声もいい。声質もややメゾ気味で、ヴィオレッタというキャラに合ってるなーと思いました。パーフェクトなヴィオレッタでした。アルフレードはちょっとダサ目だけど、田舎の兄ちゃんっつー感じが出ていて良かったかな。ジェルモンは最高。2幕が特に印象的で、最初ヴィオレッタのトコに怒鳴り込んでいくも、ヴィオレッタの人となりに触れて、気持ちが和らいでいく様がよく表現できていました。多くの点において、非常に分かりやすい演出・演技がなされていたと思います。

しかし、ちょっと困ったのが、座席ですね。前から4列目で、普通に考えればいい席なんですが、バイエルン国立歌劇場の場合は前の座席のほうにほとんど傾斜が無いので、前の人の頭が邪魔になって、非常に見難いです。あと、体調も万全ではないので、ちょっと辛かった。体調のいい時に、もういっぺん見てみたいなあ。。

POINT9.5

 ■■ 眠れる森の美女
Dornröschen
日時:2004/11/2 (金) 19:30-
座席:平土間前部 5列 176, 178番
価格:68.5€

指揮 Valeri Ovsianikov

キャスト オーロラ姫…Lisa-Maree Cullum、デジレ王子…Alen Bottaini

メモ チャイコフスキー三大バレエの1つで、1890年にロシアのマリインスキー劇場で初演された。現在では、1959年に製作されたディズニーのアニメの方で知っている人の方が多いかもしれない。


編集:ぷりん隊長 ぷりん隊長の感想

眠れる森の美女@ミュンヘン

バレエ「眠れる森の美女」

ディズニー映画にもなってるし、ストーリーが綺麗なので
少し楽しみにしてた演目。まず1幕を終わっての感想から。

10点満点

ってか、最高でした。言わせて下さい。

・小鳥や馬(?)などテーマの違った踊りが次から次へと
 繰り広げられ、また一つ一つのダンスが短くテンポ感が
 よくて全然飽きない。観続けていたい感じ。
・男の子や女の子がちょこちょこでてきてかわいいダンス
 を踊るなど子供を効果的に使ってる。実にかわいい。
・悪い魔法使いのダイナミックさが最高。見た瞬間に
 山口祐一郎だと思いました。ってか、存在感がそっくり。
 また、悪い魔法使いを取り巻くダンサーのアクロバティックな
 ジャンプや動きが非常に素晴らしく、またそれでいて別に
 それが奇抜というわけでもなく雰囲気にもあっていて
 すばらしくよかったです。馬車にのって出てきた時は
 ほんとにもう鳥肌でした。
・プリマの、静止したままゆっくりと回転する動作は
 おぉぉぉぉと感動しました。ほんとにぴたっと静止
 したまま片足でまわるんですよね。また、音楽と
 完全にシンクロしての回転移動、もう惚れ惚れしました。
・ダンサーの表情がこれまた細やかなんですね。

そして1幕の終わり方、これがもう最高の演出でした。
悪い魔法使いの魔法によって糸車が刺さって眠りに
落ちてしまったオーロラ姫。そこに登場する
良い魔法使い。その魔法使いが舞台中央で綺麗に
舞いながら、まず上から半透明な幕が降り、次に
左右から幕が閉まりつつ、ライトが魔法使いに
スポットをあてながらそのスポットがだんだん
せまくなっていくという。。まさにこれぞ幻想的
なお伽の国の世界だという感じでした。

とにかくテンポ感とダンス、そして美術、舞台装置
が素晴らしい。安っぽくなく、それといってそこまで
ゴージャズでもないんだけど、奥行感や立体感や
宮廷の華やかさが出ていてすごく感動しました。

この感動で休憩時間はあっという間に過ぎ、2幕へ。

この2幕なんだけど、この2幕は、1幕の感動の余韻
にひたりつつ、その余韻を楽しむという感じでした。
なので、多分2幕だけみたら、ちょっと物足りないかなと。
でも1幕あっての2幕と考えると、また、2幕あっての
3幕への盛り上がりと考えると、ピアノのソナタ形式の
2楽章みたいなもんで、いいかなと思ったりも。

そして3幕。ここでまた、猫や青い鳥(?)などの
テーマ別の踊りや(猫はちょっと浮いてたかも。
あと、青い衣装はちょっと奇抜すぎな気が)、
その間間に出てくるダンサーの人たちの踊り、
これが結構個々の技をいろいろ披露してくれて
みていて面白かったです。とにかく演出と
振り付けが見事でした。

ただ残念だったのは、オケ。
ダンサーとオケのタイミングはかなりぴたっとあってたんですが、
オケの内部でずれてるんじゃないかと思えるところが多数。
チェロソロはよかったんだけど、バイオリンソロは、うーん、
ちょっと微妙。また、ピッコロと金管(多分ホルン)が
ひどかった気が。。パーカッションもちょっと・・・

でもそのオケの不安定さを跳ね飛ばすダンサー達の踊りに
感動してしまいました。振り返ると、1幕が終わった時
もう一度これを観るためだけにミュンヘンにきてもいいと
思い、2幕が終わった時、あぁ堪能したと思い、3幕が
終わった時、完全消化、大満足という感じで、この演目
は今回で堪能したなという気がしました。そういう意味
ではめっちゃめちゃ満足度の高いいい舞台だと思います。

プリマ、プリンシパル、ともにもう大拍手。
そして悪い魔法使い。ミュンヘン版山口祐一郎には
カーテンコールでもその存在感に惜しみない拍手が
送られていました。

また、この作品に限らずバレエを見る時は一般的な
ストーリーは把握しておいた方がいいなーと思いました。
その方が演出の違いを楽しめます。特にこの作品は
「生まれた女の子に魔法がかけられて」という部分
を全く知らないとちんぷんかんぷんになってしまう
可能性があるし、あと例えば魔女は何人いるんだろうとか、
どうやって糸車で眠ってしまうのか、最後悪い魔女は
どうなるのかとか、王子様とはどうやって出会うのか
などなど、どのように表現されるのか考えるだけでも
わくわくしますしね。私も今思い返すだけでとっても
楽しい気持ちです。

この演出、ぜひDVDにしてほしいっ!

p.s.
 2幕最悪だったのが前のおやじ。このおやじ、
 1幕と2幕の間に彼女と席を入れ替わったらしく、
 2幕はこのおやじの頭にかなり邪魔されました。
 このおやじ、てっぺんは髪がないのに横はやたらとワイド。
 (隣の彼女の2倍はあった)。そして隣の若い女性の手を
 終始握り、やたらと首を彼女の方に傾ける。
 このタイミングが最悪。 王子が姫にキスをするシーンは
 キスするタイミングで首が右にカクン。その瞬間をみたかった
 私は「えー!?」って感じ。さらにこのおやじ、
 首を左右にふったり、彼女にでれでれして彼女がやめてっ
 という感じに動作したりと、ほんと最悪な感じでした。
 二幕みてて、次回見る時は前の2席を借り切って
 安心してみたいと思ってしまったくらいですから。
 また、今日のバレエは昨日のオペラに比べて、客のマナーは
 いまひとつだったと思います(カーテンコールのフラッシュや
 客の服装、舞台中のマナー等。舌打ちしてる人や、椅子をどんどん
 する人、また相方によると飴の音をさせていた人も
 いたらしいです。。)

編集:いっちー いっちーの感想

バレエ観劇2回目の演目は、ディズニーの映画で予習したこの演目です。今回は予習が完璧なんで、前回の「白鳥の湖」みたいな滅茶苦茶なことにはならんだろうと思ったのですが、、うーむ。。これ、ストーリィが全然違いますね。ディズニーの映画だと、魔法使いが3人出てくるけど、バレエでは1人だけ。それに、森の中でオーロラ姫とデジレ王子が出会うシーンも、バレエには無いんだね。。その辺を期待して見ていたので、ちょっと肩透かしを食らった感じでした。まあ、大筋で内容は把握しているので、ストーリィは大体追えました。

んで、思った点ですが、バレエは美しくて素晴らしいのですが、理屈っぽいいっちーに言わせていただくと、どうも本筋に関係の無い部分が多いなーと。なんか、「おめでとーの踊り」みたいのが、めっさ多いんですよ。全体の半分くらいがそうなんちゃうんかと思ってしまうくらい。いっちーは「筋に関係ないんなら要らないじゃん!」とか思うタイプなので、ちょっとなーと思いました。あと、音楽にいまいちドラマチックさが無いなあと。その辺を考えると、白鳥の湖のほうが、いっちーは好きですねー。まあ、この辺の好みは人それぞれですよね。ぷりん隊長は大絶賛してました。

ちなみに、いっちーとぷりん隊長の性格って、だいぶ違うと思います。ぷりん隊長はガンガン前に出るタイプで、いっちーはその後ろで様子を見るタイプですね。その辺の性格の差が、好みにも現れるんだなーと思って、ちょっと面白かったです。

POINT7.0

 ■■ 魔笛
Zauberflöte
日時:2004/11/2 (火) 19:30-
座席:平土間前部 2列 63, 65番
価格:130.5€

指揮 Ivor Bolton

キャスト タミーノ…Rainer Trost、パミーナ…Juliane Banse、パパゲーノ…Hanno Müller-Brachmann、夜の女王…Diana Damrau、ザラストロ…Kurt Moll

メモ モーツァルトの最後のオペラであり、音楽的には最も完成されていると言われる。「夜の女王のアリア」はソプラノの難曲中の難曲といわれ、この曲の出来がこのオペラ全体の出来を左右すると言っても過言ではあるまい。主人公がいまいち目立たず、脇役の「夜の女王」や「パパゲーノ」の方が目立っている点も面白い。


編集:ぷりん隊長 ぷりん隊長の感想

魔笛@ミュンヘン

モーツァルトは天才だ!
観劇後の私の感想第一声でした。
めっちゃめちゃよかったです。

まず1幕最初の出だしが最高。
経験上、出だしがいい舞台はほとんど間違いなくいい舞台だと思います。
ただ、今回は1幕が終わった時は、ほぉぉぉこれが魔笛かぁくらいに思ってたんですが、2幕の途中から魔笛ワールドに引き込まれてました。(いつも1幕で感動したら幕間にパンフレットを買うんだけど、この日は1幕終了時点ではそこまで感動しなかったからパンフレットを買わなかったんです。が、2幕が終わり猛烈にパンフレットが欲しくなり買いに行くと。。。もう売ってませんでした・・・)

特にパパゲーノ。このパパゲーノがめっちゃいいキャラクター。演じている歌手の人も、歌手というよりは役者です。演劇専門の人ちゃうの?という感じ。あのソラシドレ♪という笛も本人が吹いてるんですね。あの音が頭から離れません。

このパパゲーノとパパゲーナのコンビが今日一番のお気に入り。あのパパパパパパパパパパゲーノという曲を200年も前に作ったモーツァルト、本当に天才だと思いました。当時この魔笛が年間200公演という大人気公演になったのもうなづけます。この魔笛自体、オペラというよりはミュージカルといってもいいかもしれません。ほんとにすごい作品です。。。

あと、夜の女王。1幕最初のシーンは、この夜の女王が舞台上方の月の中に立ち、幻想的な雰囲気ではじまるのですが、1幕のアリアのシーンでは、いまいちパンチにかける感じがありました(めっちゃめちゃ歌うの難しそうな曲です)。が、2幕では、ほぼ同じ旋律を歌うんですが、なんかめちゃめちゃ感動して、体中ぞくぞくってきてしまったんですよね。しかもこの方、綺麗なんです。。。)ってか、今回の舞台、パパゲーナも夜の女王もお姫様も全員綺麗。これもびっくりでした。

ただ、王子と姫のペアのシーンは、なんかちょっと曲的にもつまらないかなという感じで少し眠ってしまいました。この演目、王子と姫というよりは、パパゲーノと夜の女王でもっているといっていいかもしれません。

その他感じたことをどんどん書くと。。

・3人の天使(子供)の声が素晴らしい。
 この3人がいろんなところで登場して面白い。
・パパゲーノのコミカルさに会場中が巻き込まれて
 かなり笑いが沸き起こってました。また、演出
 も素晴らしく、パパゲーノがオケピに話しかけたり
 っということを結構自然に演出してました。
・バリトンの低〜い声の王がまたいい感じだった
・パパゲーノとパパゲーナの子供が次々でてくるシーンが最高
・牢屋(?)の彫刻だったパパゲーナがいきなり動きはじめる
 シーンや、彫刻だったパパゲーナが綺麗な美女に変身する
 シーン(声も若返る。パパゲーナって声を使い分けてるんですね)
 をもう一回観たい!
・観客のマナーがいまいちでした。上演中にひそひそ話したり
 舌打ちしたり。。。

今回ミュンヘンで出会ったオペラ「魔笛」とバレエ「眠れる森の美女」は、生涯忘れられない作品になりました。できることなら、魔笛の台詞(ドイツ語)がわかるようになりたいです!

編集:いっちー いっちーの感想

魔笛はいっちーが一番好きなオペラです。ただ、普通のオペラに比べて登場人物の普通の会話が多く、オペラというよりも「歌付きの芝居」であると一般的には言われてます。大衆娯楽用の芝居として製作されたようで、現在のドイツで上演される場合も、ミュージカル観劇気分で割と気軽に見に来る感じみたいです。今から200年前の作品ではありますが、ほとんど現代ドイツ語の知識で理解できるようで、字幕はありませんでした。

よく言われることではありますが、この作品の見所は、「夜の女王のアリアの出来」と「パパゲーノの出来」の2つに尽きるかと思います。これら2人はどちらも脇役なんですが、割と主役がどうでもいいオペラかなーと思います。

ちょっと解説を加えますが、「夜の女王のアリア」とは、ソプラノの難曲中の難曲として知られる曲で、第1幕と第2幕に1曲ずつありますが、普通は第2幕の方を意味します。しかし、第1幕のアリアも聴き所で、夜の女王の登場時に歌われるこの曲は、ゆっくりしたレチタティーフから始まり、それから超高音域のコロラトゥーラで締める、すごいいい曲です。第2幕のアリアは、第1幕のと似たメロディで、更にドラマチックさを増した形で挿入されています。

んで、「パパゲーノ」というのは、ストーリィ上は脇役なんですが、本オペラの台本作家シカネーダーがこの役を演じたこともあり、非常においしい役どころが与えられています。更に、彼はモーツァルトのマブダチだったこともあり、とても素敵な曲までも与えられています。このパパゲーノというキャラクターをどう演出するか、これが、このオペラの第2の見所かなあと思っています。

さて、まず夜の女王のアリアの出来ですが、第1幕はうーん。。って感じでした。声出てないし、音外してるし。。と思ってたら、後ろで思いっきり舌打ちしてるやつが!うーむ。。それは幾らなんでも可愛そうだろ。。そんな感じの不満の残る第一幕の夜の女王でしたが、なんと1幕終了後のカーテンコールに夜の女王が出てこなかった!あれー?やっぱ、失敗気味だったから、客に顔見せできなかったのかな。。んで、第二幕のアリア。こっちは第一幕よりもグッと良くなって、声がいまいち小さくて、微妙に音を外してるとこがあったものの、まぁ及第点かなーと(偉そうなこと言ってすいません。。)。第二幕では大喝采を浴びてました。

そしてパパゲーノですが、この演出完璧っす。たまにピエロみたいなパパゲーノがいるんですが、今回のは衣装が可愛い感じに仕上げられてて、それがコミカルな演技と完璧にマッチしてた。特に素晴らしかったのが、有名な「パ・パ・パ」の歌で、この部分の歌詞は「パパゲーノはパパゲーナ(お嫁さん)と結婚して、たくさん男の子と女の子を作るんだ!」みたいな意味なんですが、その時にパパゲーノとパパゲーナの衣装をつけた子供たちがわーっと舞台に入ってきて、パパゲーノびっくり!みたいな演出をしていました。これ、最高です。素晴らしい。曲の途中なのに、客も大喝采してました。※拍手は曲が終わってからするのがマナーなんだけど、あまりに素晴らしすぎて我慢できなかったんでしょう。

バイエルン国立歌劇場の「魔笛」のポスター 幕が上がった瞬間のシーンである

その他思ったことですが、オープニングが非常に良かったです。今まで昼間に設定してるのしか見たことありませんでしたが、この演出では夜に設定していました。序曲が終わり幕が上がると、そこは夜の岩山。3人の魔女がその岩山に佇み、空に浮かぶ満月の中に夜の女王が鎮座する(右の画像)。夜の女王が空に消えていくと同時に、タミーノが暗闇の中、大蛇に追いかけられながら現れる、、、という演出で、とても幻想的なムードでした。また、大蛇が火を噴くシーンで、半端ではなくでかい炎を吐いていて、観客もビックリ!してました。パパゲーノの登場シーンも良かったですね。彼の頭の上を小鳥が飛びまわっていて、演出細かいなあと。。

あと、タミーノは普通。パミーナは良かったけど、声がドラマチック過ぎるかなと。パミーナはもう少し軽めの声がいいかなーと思いました。ザラストロも良かったっすね。彼ら3人の三重唱(試練に赴くタミーノとの別れのとこ)はかなり良かったっす(曲が良いという話もあるが)。パパゲーナはもう少し老婆のときの声がコミカルだったら良かったかなーと思いました。

基本的には大満足のオペラです。素晴らしい!ツアーの最終日を締めくくるに相応しいオペラでした。夜の女王の出来が良いときに、是非DVD化して欲しいなー。

(追記) Bayerische Staatsoperのページに、舞台のビデオ映像がありました。編集があんま良くないけど、舞台の様子が良く分かります。この時の夜の女王はかなり気合入ってますね。でも、こういう小さい動画だと、舞台の感動はなかなか伝わらないですね。。

なお、DVD化の予定についてStaatsoperに問い合わせてみましたが、今のところその計画は無いようです(2004.11.11現在)。

POINT9.5
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